千利休、待庵 編

千利休、待庵 編(広報おおやまざき平成27年11月号掲載分)

天王山のぼるくん

文化、芸術の秋だね。

僕、日本文化を学んでみたいな。茶道なんてかっこいいよね。

淀川先生

いいね、のぼる君。

大山崎町には国宝の茶室もあるしね。

のぼるくん

大山崎町に国宝があるの?

よどがわせんせい

JR山崎駅前の妙喜庵(みょうきあん)にある「待庵(たいあん)」だよ。
乙訓2市1町で唯一の国宝で、全国で3つある国宝の茶室のうちの一つなんだ。
千利休(せんのりきゅう)が作った唯一現存する茶室で、豪華絢爛(ごうかけんらん)な安土桃山文化の中にあって、対極の「わび・さび」が表現された傑作と言われているよ。

のぼるくん

千利休はどんな人だったのかな。

よどがわせんせい

堺生まれで、織田信長に茶(さどう)として仕え、のち秀吉の側近として茶道界を指導した人で、「茶聖(ちゃせい)」といわれているよ。

戦国時代はお茶席が大名の社交の場となっていて、そこで重要な意思決定がなされることも多く、とりわけ茶人は重要視されていたんだ。

また、千利休は独特の高い美意識を持っていたことで知られているよ。

のぼるくん

たしか待庵は2畳しかないんだよね。

2畳の空間で膝を突き合わせてお茶を飲むのは狭苦しくないのかな。

よどがわせんせい

い、意外と詳しいね、のぼる君。

わずか2畳だけど空間の広がりを感じさせるよう、いろんな工夫が施されているよ。

たとえば、「室床(むろどこ)」。

床間や天井を土壁で塗り回して部屋の四方の柱を壁の中に隠しているんだ。

また、客席の上部分の天井は斜めの「掛け込み天井」、手前の天井は「平天井」となっていて、手前の人の頭上は低くして遠慮し、客の頭上は高くしてゆとりを感じてもらう構造になっているよ。

のぼるくん

ぜひ一度見てみたいな。

よどがわせんせい

待庵の拝観には1カ月前までに往復ハガキでの予約が必要だよ。
また、町歴史資料館にはレプリカが展示されているよ。
さらに、堺市の「さかい利晶の杜」には待庵が作られた当時の姿を復元した「さかい待庵」があり、申し込めば中に入ることも可能だよ。

のぼるくん

僕、四畳半の部屋を弟と二人で使っているんだけど、狭いのも楽しいかもね。

待庵に学んで工夫してみるよ。

関連事項

待庵

待庵

妙喜庵 〒618-0071 大山崎町小字竜光56

大山崎町歴史資料館 電話番号 075-952-6288

さかい利晶の杜 電話番号 072-260-4386

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更新日:2017年03月23日